||||||| 黒星病防除剤「インダー」とチョウ目害虫防除剤「スピノエース」 |||||||
インダー(フェンブコナゾール)は米国ローム・アンド・ハース社(現在:ダウケミカル日本株式会社)が開発したトリアゾール系の殺菌剤(DMI剤)です。DMI(EBI)剤は、菌類の細胞膜を構成するエルゴステロールの生合成を阻害して殺菌効果を発揮します。本剤はぶどう、もも、ネクタリン、おうとう、すもも、りんご、なし等の果樹類に幅広く登録を取得し、本県の果樹生産に大きく貢献しています。
もも、ネクタリンの黒星病防除のポイントは、感染期である幼果期に定期散布を行うことです。平成21年度山梨果樹試の成果情報では、本剤はモモ黒星病に対して残効期間が長く、少〜中発生条件下では15〜20日間効果が持続した結果が得られており、現場レベルでは慣行の散布間隔が10日程度だったものを15日程度に延長できるとされています。本県では、より防除効果が高まるように雨が降る前にDMI剤を散布し、早期に袋かけを行うことが指導されています。また、本剤は5,000倍で用いるため、果実汚染も少なく幼果期から袋かけ前の防除薬剤として最適です。さらに果実汚染が問題となるぶどうでは、汚染の少ない幼果期のうどんこ病防除剤(8,000倍)として使用できます。
果樹用のスピノエースフロアブルは山梨県において、除袋直後(着色初期)のミカンキイロアザミウマ、モモハモグリガ、リンゴコカクモンハマキを対象に、ももの果樹病害虫防除暦に採用されており、本剤の高い防除効果と同時に収穫前の果実汚染の少なさから使用者が増えています。
スモモヒメシンクイは山梨県ではすももに、長野県ではすもも、りんごに被害が多く、果実を直接加害するため大きな問題となっています。本害虫は一般に年4回発生し、すももでは中晩生種に被害が目立ちます。防除は殺成虫および幼虫の食入防止を目的に薬剤散布を行います。すももでは特に中晩生種への6月以降の定期散布がポイントとなりますので、慣行のスモモヒメシンクイ防除剤とのローテーション散布剤として使用してください。
※ ラベルに記載された注意事項を確認し、正しくご使用ください。
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