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農薬通信
2010年10月号『果樹』

登録日2010.10.25

|||||||  新病害紹介「ウメ輪紋ウィルス(プラムポックスウィルス)」  |||||||

 昨年4月、東京都青梅市のウメに、我が国では未発生のウメ輪紋ウィルス(プラムポックスウィルス)が確認されました。正式和名は「ウメ輪紋ウィルス」に決定され「プラムポックスウィルス」は英名「plum pox virus」の音訳です。このウィルスはアブラムシにより媒介され、モモ、スモモ等の核果類に感染します。       

< ウメ環紋ウィルスの特徴 >

 本ウィルスは1915年に欧州で発見されて以来、北米、南米、アジアの一部で発生が確認されています。

  1. 伝搬:
    20種類以上のアブラムシ、特にモモアカアブラムシによって媒介されます。吸汁によってウィルスを獲得したアブラムシが、健全な宿主植物を吸汁することで伝搬します。また、本ウィルスに感染した苗や穂木によっても伝搬します。種子伝染、花粉伝染は知られていません。
  2. 宿主植物:
    主にPrunus属の果樹(モモ、スモモ、ネクタリン、オウトウ、ウメ、アンズ等の核果類)※昨年東京で発見されたウィルスの系統はオウトウやサクラには感染しないとされています。
  3. 主な症状:
    花弁の斑入りや、葉に退緑斑点や輪紋が生じるほか、果実の表面に斑紋が現れ、商品価値が失われたり成熟前の落果により減収することがあります。

※今回発病したウメでは、これまでのところ果実への被害は見られず、葉の輪紋や花弁の斑入り のみが見られています

 山梨県病害虫防除所が、本年6月に県内35地域で本ウィルスによる病害の発生状況について調査したところ、本県での発生は認められませんでした(ウィルス検定実施機関:横浜植物検疫所)。

 モモ、スモモ等の栽培に当たっては、従前どおり適期に適切なアブラムシの防除を行うとともに、類似症状が見つかった場合には、速やかに最寄の地域普及センターまたは果樹技術普及センター、病害虫防除所へご連絡ください。

 また、このウィルスは植物に感染するものであり、人には感染しませんので、果実を食べても健康に影響はありません。

※ 登録内容を守り、注意事項を確認するとともに周辺作物へ飛散させないよう、正しくご使用ください。


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