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農薬通信
2008年5月号『果樹』

登録日2008.5.22

|||||||  スピノエースフロアブル・スモモヒメシンクイに適用拡大  |||||||

 スピノエース(スピノサド)は土壌放線菌が産生する天然物由来の殺虫剤で、害虫の神経伝達を阻害し、効果を発揮します。既存剤とは作用機作が異なるため、抵抗性害虫にも効果を示します。野菜ではスピノエース顆粒水和剤が登録されコナガ、アオムシ、オオタバコガ等のチョウ目害虫をはじめ、アザミウマ類、ハモグリバエ類防除剤として使用されています。

果樹用のスピノエースフロアブルは山梨県において、除袋直後(着色初期)のミカンキイロアザミウマ、モモハモグリガ、リンゴコカクモンハマキを対象に、ももの果樹病害虫防除暦に採用されています。また、高い防除効果と同時に収穫前の果実汚染の少なさから使用率が高まっています。

 今回はスピノエースフロアブルがすもものスモモヒメシンクイに適用拡大となりましたのでご紹介します。スモモヒメシンクイは山梨県ではすももに、長野県ではすもも、りんごに被害が多く、果実を直接加害するため問題となっています。本害虫は一般に年4回発生し、すももでは中晩生種に被害が目立ちます。防除については殺成虫および幼虫の食入防止を目的に薬剤散布を行います。今回登録拡大になったすももでは、特に中晩生種への6月以降の定期散布がポイントとなりますので、慣行のスモモヒメシンクイ防除剤とのローテーション散布剤として使用してください。

<  スピノエースフロアブル 登録内容 >   スピノサド 20.0%

作物名
適用害虫名
希釈倍数
使用時期
スピノサドを含む
農薬の総使用回数
使用方法
すもも

スモモヒメシンクイ

4,000倍 収穫3日前まで 2回以内 散布
もも

シンクイムシ類

2,000倍 3回以内
ミカンキイロアザミウマ

4,000〜
6,000倍

モモハモグリガ

2,000〜
6,000倍

リンゴコカクモンハマキ 4,000倍
りんご

キンモンホソガ
ハマキムシ類

2,000〜
3,000倍

モモシンクイガ 2,000倍
かんきつ

ミカンハモグリガ
アザミウマ類
ナミアゲハ

4,000〜
6,000倍

収穫7日前まで 2回以内
茶

チャノコカクモンハマキ
チャノホソガ
チャノキイロアザミウマ

2,000〜
4,000倍

摘採7日前まで 2回以内

チャハマキ
ヨモギエダシャク

4,000倍

<  特別栽培農産物とスピノエース >

 本剤の「特別栽培農産物のガイドライン」に関する取り扱いは、地方自治体により独自に定められていますので、関係機関にご確認ください。

< その他 >

  • 本剤は植物体上での浸透移行性がないので、散布ムラのないようていねいに散布してください。
  • 蚕に長期間毒性があるので、付近の桑に付着するおそれがある場所では使用しないでください。
  • 散布時はミツバチおよび巣箱に直接かからないようにしてください 。

※  登録内容を守り、容器に記載されている注意事項を確認するとともに、周辺作物へ飛散させないよう正しくご使用ください。


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