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クロレートS粒剤でタケの防除
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今月の農薬通信はクロレートS粒剤を用いたタケ類、ササ類の防除についてお知らせします。クロレートは塩素酸ナトリウムを有効成分とした非選択性除草剤で、一年生雑草はもちろんのこと防除困難なササ、タケ、ススキなども枯らすことができます。
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タケの防除 >
クロレートによるタケ防除は、春期のタケノコ(筍)発生時が最も効率がよいとされています。タケは春に通常の時期より5倍もの水分を吸収するため、この時期に水分と一緒に薬剤を大量に吸収させることがポイントです。特にタケノコ自体が小さい時期は、植物体に対する薬剤吸収量が相対的に多くなるため効果が高く、その発現も早くなります。また、地下茎が伸長する前にタケを枯らす、もしくは葉を落としてしまえば、地下茎の生育もストップします。
- タケの種類を判別
タケの種類によってタケノコの発生時期は異なります。タケノコが大きくなる前に散布しましょう。
植栽地では使用できません。薬剤処理された場所から発生したタケノコは食べないでください。
- 散布場所表面の堆積物(枯葉等)を除去
できる限り土壌表面の堆積物を除去し、薬剤が土壌中に浸透しやすくすることが重要です。
- 薬剤は根元だけでなく、周辺まで出来る限り広く散布
タケの地下茎は地中で広く分布しており、地上部が枯れても地下茎は生き残っています。
- 急斜面での散布は避ける
作業が困難なだけでなく、薬剤の流亡の恐れがあります。
- 効果の発現には時間と適度の土壌水分が必要
葉が枯れ始めるまでには1〜2ヶ月程度、効果の完成(稈が黒色、茶色に変色)には3ヶ月以上を要することもあります。粒の崩壊、土壌中への速やかな浸透のため、土壌には適度の水分が必要です。(夏季は土壌が乾燥しがちなため、薬剤の吸収が進まず、効果が劣ることがあります。
- 周辺の有用植物には飛散することがないように注意
- タケは立枯れすると倒れやすくなるので注意
枯れたタケは大風・台風や積雪などで倒れやすくなっています。また、燃えやすくなっていますので枯れたタケは早めに処分してください。
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クロレートS粒剤 登録内容 > 有効成分:塩素酸ナトリウム 50.0%(劇物、A類)
作物名 |
使用目的
適用場所 |
適用雑草木名
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使用時期 |
使用量 |
本剤の
使用回数 |
使用方法 |
塩素酸塩を
含む農薬の
総使用回数 |
樹木等
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公園、堤とう、
駐車場、道路、
運動場、宅地、
のり面等 |
一年生及び
多年生雑草
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雑草生育
初期〜中期
|
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3回以内
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植栽地を除く
樹木等の周辺地に
雑草茎葉散布 |
3回以内
(全面土壌散布
は1回以内、
但し当該処理を
する場合には
雑草茎葉散布は
1回以内)
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竹類
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生育期 |
45〜60kg
/10a
|
1回 |
植栽地を除く
樹木等の周辺地に
全面土壌散布 |
開墾後に
栽培する
農作物等 |
開墾地 |
一年生及び
多年生雑草
雑かん木
ササ類
ススキ
|
雑草生育期
(積雪時及び
土壌凍結時を
除く)
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15〜25kg
/10a
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2回以内 |
全面均一散布 |
− |
空中散布 |
すぎ
ひのき
まつ
からまつ
えぞまつ
とどまつ
ぶな
かんば
|
地ごしらえ |
全面均一散布 |
3回以内 |
空中散布 |
下刈り |
10〜20kg
/10a
|
全面均一散布 |
空中散布 |
すぎ
ひのき
まつ
からまつ
えぞまつ
とどまつ
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地ごしらえ
又は
下刈り
|
ススキ |
雑草生育期
(草丈20cm以下)
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30g/株経20cm
60g/株経30cm
85g/株経40cm
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1回 |
株処理 |
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作物名 |
適用雑草名 |
使用時期 |
使用量
|
|
使用方法 |
適用地帯 |
塩素酸塩を
含む農薬の
総使用回数 |
水稲
(水稲刈取跡)
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一年生雑草
多年生イネ科
雑草
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水稲刈取後
(秋期雑草生育期)
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20〜25kg
/10a
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水稲刈取跡に
全面土壌散布 |
東北以南
|
− |
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< 使用上の注意 >
- 植栽地を除く樹木等の周辺で使用する場合は、薬剤が樹木等の植栽地に流入又は飛散するおそれのある場所では使用しないでください。また、樹木等有用植物の根が分布していると思われるところでは使用を避けてください。
- 開墾地、または林地の地ごしらえに使用した場合、散布後3ヶ月間は樹木の植栽、播種などは行わないでください。
- 降雨時の散布又は降雨が予想される時の散布は、効果を減ずるので散布を避けてください
※ 登録内容を守り、ラベルに記載された注意事項を確認の上ご使用ください。
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