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農薬通信
2003年6月号『一般』

登録日2003/06/10

||||||| 野菜の主要IGR剤 |||||||

 IGR剤は昆虫成長制御剤(Insect Growth Regulator)の略で、本剤を取込んだ昆虫の表皮であるキチン質の合成阻害や幼若ホルモン様物質等の働きにより脱皮、変態を阻害し殺虫効果を示します。
 特に鱗翅目害虫(チョウやガの仲間)幼虫には選択的に高い活性を示す剤が多く、カブリダニや寄生蜂などの天敵に影響が少ないことが特長です。
 また、ハダニ類の雌成虫に取込まれることにより産んだ卵のふ化を抑制する効果(カスケード)やハモグリバエ類に特異的に効果のある剤(トリガード)もあります。


< 野菜の主要IGR剤適用作物および適用害虫 >

薬剤名
効果での分類
適用作物および適用病害虫
(使用倍率、使用基準等をご確認の上ご使用ください)
はくさい
キャベツ
レタス
トマト
キュウリ
ナス
アプロード水和剤 他のIGR剤とは異なりコナジラミ類等の半翅目害虫に効果が高い
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オンシツコナジラミ幼虫
タバココナジラミ幼虫
オンシツコナジラミ幼虫 オンシツコナジラミ幼虫
タバココナジラミ幼虫
チャノホコリダニ幼虫
トリガード液剤 ハモグリバエに効果高い
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ハモグリバエ類
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マメハモグリバエ
カスケード乳剤 主に鱗翅目害虫の脱皮を阻害し効果を表す コナガ
アオムシ
ヨトウムシ
コナガ
アオムシ
タマナギンウワバ
ハスモンヨトウ
ヨトウムシ
ハスモンヨトウ
オオタバコガ
マメハモグリバエ
オオタバコガ
ミカンキイロアザミウマ
ミナミキイロ アザミウマ ミナミキイロアザミウマ
ハダニ類
マメハモグリバエ
ノーモルト乳剤 コナガ
アオムシ
タマナギンウワバ
ヨトウムシ
コナガ
アオムシ
タマナギンウワバ
ハスモンヨトウ
ヨトウムシ
ハスモンヨトウ ハスモンヨトウ
オンシツコナジラミ
タバココナジラミ
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ハスモンヨトウ
タバココナジラミ
デミリン水和剤
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ミナミキイロ アザミウマ
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マッチ乳剤 コナガ
アオムシ
コナガ
アオムシ
ヨトウムシ
ハスモンヨトウ、
ハイマダラノメイガ
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オオタバコガ
ハスモンヨトウ
トマトサビダニ
ミカンキイロアザミウマ
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オオタバコガ
ロムダンフロアブル 主に鱗翅目害虫の脱皮を促進し効果を表す
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ファルコンフロアブル
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コナガ
アオムシ
ヨトウムシ
ハスモンヨトウ
タマナギンウワバ
オオタバコガ
ハスモンヨトウ
オオタバコガ
ハスモンヨトウ
オオタバコガ
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ハスモンヨトウ
オオタバコガ

  本系統の薬剤はその性質上、他の系統の殺虫剤に比べ遅効的に作用するため散布直後に効果が見えにくいですが、徐々に害虫密度が減ってきます。
 害虫の発生期を予測しながら適期を逃さぬよう発生初期の散布を行ってください。

※実際の使用にあたっては倍率、使用基準等登録内容を守り、注意事項を確認の上ご使用ください。
 また、初めてご使用になる際は最寄の普及センター、JA等の指導機関にご相談ください。

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