株式会社アセラ
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農薬通信
2002年11月号『一般』

登録日2002/11/15

||||||| 根こぶ病の防除 |||||||

 はくさいの収穫期になると根こぶ病の防除相談が多くなります。 根こぶ病は、はくさいをはじめキャベツ、のざわな、ブロッコリー等アブラナ科野菜の連作により発生する土壌伝染性病害で、発病してからでは防除が困難なため播種または定植前の薬剤防除がポイントになります。 今年は間に合いませんが、来年に向けて根こぶ病の生態と防除をご紹介します。

< 生態・被害 >
はくさい根こぶ病写真
はくさい根こぶ病 ※
のざわな根こぶ病写真
のざわな根こぶ病 ※
 根こぶ病菌は土壌中に長期間(数年間)生存し、水中でも2年位は生存できることが確認されています。 根こぶ病菌の休眠胞子は土壌中であぶらな科作物の根が伸長して本病菌に近づくまで待ち続けます。 根が本病菌に近づくと発芽、侵入し、感染すると根の細胞に異常増殖を起こさせて「根こぶ」を形成します。 肥大したこぶは根の導管の働きを低下させ、水分の供給が不足するため日中にしおれたり、最終的には根が悪臭を放って腐敗します。 あぶらな科にはネコブセンチュウも寄生しますが、根こぶ病によるこぶは大型のため容易に区別できます。

発病が多くなる条件
1.過剰な土壌水分 根こぶ病の伝播は水の移動による
2.土壌ph 酸性土壌で発生が多く見られる
3.長日条件 春から秋にかけての日長が長い時期に、また、気温や地温が18〜25℃位のときに発病が多い
4.連作 土壌中で数年間生存するため


< 薬剤による防除  ネビジン粉剤 >  有効成分:フルスルファミド 0.3%
作物名
適用病害
使用量/10a
使用時期
使用回数
使用方法
はくさい、キャベツ、ブロッコリー、のざわな、なばな、カリフラワー
根こぶ病
20〜30kg 播種または定植前
1回
全面土壌混和
20kg 作条土壌混和
チンゲンサイ、大阪しろな 30kg 全面土壌混和
かぶ 全面土壌混和
20kg 作条土壌混和
みずかけな 30kg 播種前
上記作物以外にばれいしょのそうか病、粉状そうか病に登録があります。


< ネビジン粉剤の上手な使い方 >
  1. 砕土および土壌混和はていねいに行う
    本剤はガス効果が期待できないため、畑土壌との混合の良否が効果に大きく影響します。 土塊がなくなるよう耕耘をていねいに行い、ネビジン粉剤を均一に散布し土壌混和を充分行ってください。
  2. 土壌混和の深さ
     あぶらな科野菜の根系は、地表面下約10〜15cmにありますので、10〜15cm程度の土壌混和で充分な防除効果が期待できます。
  3. 石灰との併用は効果を安定させます。

< 使用上の注意 >

  • 植穴処理は薬害の恐れがありますので使用しないでください。
  • 本剤は土壌中で根こぶ病菌の発芽を抑えることが目的ですので、すでに感染している苗には効果が劣ります。
    ☆使用基準、注意事項を確認の上ご使用ください。 

※ 日本農薬株式会社 印刷No2093003 より掲載


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