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農薬通信
2002年10月号『果樹』

登録日2002/10/21

||||||| 生物殺菌剤 『ボトキラー水和剤』 |||||||

 ボトキラー水和剤は天然に存在する微生物「バチルス・ズブチリス」を主成分とした生物殺菌剤です。本年8月13日付でぶどうの灰色かび病に適用拡大されましたのでお知らせします。  
 主成分のバチルス・ズブチリスは納豆菌の仲間で、散布されると植物表面の溝や窪みに定着します。病害の原因となる病原菌も同様の部位に定着することが確認されており、ボトキラーと病原菌との間に生息場・栄養分の競合関係が成立しているものと推測されています。
イメージ 本剤の効果は予防的に発揮され、あらかじめボトキラーを散布すると植物の表面に住み着いて病原菌を寄せつけません。灰色かび病に感染する前に使用し、先に定着させることが効果を安定させるポイントです。

< 特 長 >             

  • 化学農薬とは作用性が異なるため、化学農薬に対して感受性の低下した病原菌(耐性菌)にも効果があります。 
  • 天敵への影響がない。
  • 有機農産物生産に使用できます。
  • ぶどうでの使用時期は開花前後に2〜3回散布した事例がほとんどのため、幼果期から収穫期にかけての果実汚染等は未確認です。 今後試験を重ねてからご紹介します。
  • 下記有用昆虫への影響はありません。
    ミツバチ、カイコ、マルハナバチ、ナミテントウ、ヤマトクサカゲロウ、チリカブリダニ、ククメリスカブリダニ、オンシツツヤコバチ、コレマンアブラハバチ、イサエアヒメコバチ、ハモグリコマユバチ、ナシヒメハナカメムシ
  • 有効成分は常温で3年以上安定に生存するため、製品の常温保存が可能です。 


< ボトキラー水和剤 登録内容 >

有効成分 バチルス ズブチリス芽胞 1×1011CFU/g ※

作物名
適用病害虫
希釈倍率
使用液量
使用時期
使用回数
使用方法
ぶどう
灰色かび病
1,000倍
150〜300L/10a
開花期
〜収穫前日まで
—
散布
※ボトキラーの場合1gあたり100億個の生存している微生物が含まれていることを表す。

< 使用上の注意 >

  • 有効成分の生育温度範囲は10〜50℃以上であるため、10℃が確保される施設内でご使用ください。
  • 散布ムラのないよう、病気が発生する前にご使用ください。


< 混用に関して >


ぶどうでの混用事例はほとんどありませんが、他作物での使用時にボトキラーの効力低下が確認され混用できない薬剤があります。

混用できない薬剤
(混用によりボトキラー水和剤の効力が低下)
散布からボトキラー水和剤に対して影響のなくなる日数
キャプタンを含む剤(オーソサイド、アリエッティC等)
7日
マンゼブを含む剤(ジマンダイセン、リドミルMZ、サンドファンM等)
7日
TPNを含む剤(クリーンヒッター、ブリザード等)
7日
スルフェン酸系を含む剤(ユーパレン等)
21日
☆使用基準、注意事項を確認の上ご使用ください。

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