株式会社アセラ
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農薬通信
2002年6月号『一般』

登録日2002/06/11

||||||| 新規殺虫剤紹介「ハチハチ乳剤」 |||||||

 「ハチハチ乳剤」は新規化合物トルフェンピラドを有効成分とする新規殺虫剤です。 
薬剤名は試験番号OMI-88に由来し、三菱化学(株)と大塚化学(株)の2社共同開発により本年4月24日に登録されました。 
 本剤はアブラムシ類、アザミウマ類、コナジラミ類、マメハモグリバエ、サビダニ、ホコリダニなど幅広い害虫に高い効果を示します。

 < 特 長 >

  1. 作用メカニズムはエネルギー代謝系への作用によるもので、過去にピラゾール系の殺ダニ剤(ダニトロン、サンマイト、ピラニカ等)が知られていますが、殺虫剤としては新規な作用点といえます。 
       
  2. 既存の殺虫剤(有機リン系、カーバメート系、ピレスロイド系、ベンゾイルウレア系、ネオニコチノイド系)とは化学構造が異なるため、それらの剤に感受性を低下させた害虫にも安定した効果を示します。
     
  3. ハチハチ乳剤は食毒としての作用よりも接触での作用を中心として効果を発現します。

 < ハチハチ乳剤の適用害虫及び使用方法 >
  一般名:トルフェンピラド 15.0% (劇物、C類)

作物名
適用病害虫
希釈倍率
10a当り
散布液量
使用時期
使用回数
キャベツ
はくさい
コナガ
アオムシ
アブラムシ類
1,000〜2,000倍
150
〜
300L
収穫14日前まで 2回以内
キュウリ ワタアブラムシ 収穫前日まで
アザミウマ類
シルバーリーフコナジラミ
1,000倍
なす アブラムシ類
アザミウマ類
チャノホコリダニ
1,000〜2,000倍
シルバーリーフコナジラミ
マメハモグリバエ
1,000倍
トマト アブラムシ類
オンシツコナジラミ
シルバーリーフコナジラミ
マメハモグリバエ
きく アブラムシ類
アザミウマ類
発生初期 4回以内

 ハチハチ乳剤は今後、だいこん、ブロッコリー、茶、すいか、レタス、ねぎに適用拡大予定となっているほか、キュウリのウリノメイガ、トマトのトマトサビダニ、ミカンキイロアザミウマ等適用害虫の追加も予定されています。
 なし、もも、かんきつにハチハチフロアブルとして新規登録予定となっています。



 < その他 >

  • 浸透移行性はありませんので、葉の表裏に充分散布してください。
  • うどんこ病にも予防・治療効果があることが分かっています。
  • ハダニ類への効果は期待できませんが、サビダニ、ホコリダニには高い効果を示します。
  • 大型鱗翅目害虫には充分な効果が得られない場合(ハスモンヨトウ2令まで、オオタバコガ2令でも不充分)がありますので、それらの害虫の発生が比較的少ない春キャベツ等での使用に向いています。

使用にあたっては使用方法、注意事項等をご確認の上、適正使用をしてください。


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