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農薬通信
2002年5月号『一般』

登録日2002/05/21

||||||| 新規ネオニコチノイド系殺虫剤 |||||||

 平成4年に日本バイエルアグロケムによりアドマイヤー剤が登録されて以来、平成7年モスピラン剤、ベストガード剤が相次いで登録され、ネオニコチノイド系といわれるこのグループの殺虫剤は野菜や水稲、果樹など多くの場面の主要殺虫剤として使用されています。 昨年から今年にかけてネオニコチノイド系の新規剤が何剤か登録されましたので一覧にしてご紹介します。
今回ご紹介する4剤も、前記の3剤同様ネオニコチノイド系の代表的な特長である「植物体内での浸透移行性」を有し、また薬剤の種類や対象となる害虫によって効果差は有りますが、アブラムシ類、コナジラミ類、アザミウマ類、ヨコバイ類、シンクイムシ類、カメムシ類、ロウムシ類、コナカイガラムシ類、モモハモグリガ、マメハモグリバエ、ゴマダラカミキリ成虫、コガネムシ類等の幅広い害虫に効果を示します。

< 新規ネオニコチノイド剤一覧 >

薬剤名 バリアード アクタラ ダントツ アルバリン
一般名 チアクロプリド チアメトキサム クロチアニジン ジノテフラン
剤型(成分%) 顆粒水和剤
(30.0)
箱粒剤
( 1.0)
顆粒水溶剤
(10.0)
粒剤5
( 0.5)
水溶剤
(16.0)
箱粒剤
( 1.5)
粒剤
( 0.5)
粉剤DL
( 0.15)
顆粒水溶剤
(20.0)
箱粒剤
( 2.0)
粒剤
( 1.0)
粉剤DL
( 0.5)
メーカー 日本バイエルアグロケム シンジェンタ 武田薬品 アグロカネショウ
適用作物 りんご、なし、もも、うめ、メロン、いちご、ピーマン、トマト ばれいしょ、稲、茶
、他
モモ、りんご、なし、うめ、ぶどう、かき、かんきつ、きゅうり、なす、ピーマン、キャベツ、すいか、かんしょ、他 りんご、もも、ぶどう、かんきつ、稲、茶、きゅうり、メロン、すいか、なす、トマト、ばれいしょ、きく、ばら、他 りんご、かんきつ、もも、うめ、なし、ぶどう、なす、きゅうり、トマト、キャベツ、他
有用昆虫に対する安全性
(放飼可能日数)
ミツバチ 散布翌日(顆粒水和剤)
42日(顆粒水溶剤)
放飼している地域では使用を避ける
25日以上影響(水溶剤)
45日(粒剤)
40日(粒剤)
放飼している地域では使用を避ける
マルハナバチ 散布翌日(顆粒水和剤)
21日(粒剤)
放飼している地域では使用を避ける
15日以上影響(水溶剤)
21日(粒剤)
14日(顆粒水溶剤)
9日(粒剤)
蚕 60日以上影響がある 60日以上影響がある 60日以上影響がある 桑に付着する恐れのある地域では使用しない
人畜毒性 劇物
普通物
普通物
普通物
魚毒性 A類
A類
A類
A類
ネオニコチノイド系の中の化学的な分類※ クロロピリジン環をもつ クロロチアゾール環をもつ クロロチアゾール環をもつ テトラヒドロフラン環をもつ

※ネオニコチノイド系と呼ばれる殺虫剤のグループは、さらにその中でクロロピリジン環をもつ化合物群、クロロチアゾール環をもつ化合物群、テトラヒドロフラン環をもつ化合物群に分類され、先行する3剤のアドマイヤー、モスピラン、ベストガードはクロロピリジン環をもつグループに属します。
 
< 薬剤ごとの特長 >

  • バリアード
    平成14年山梨県果樹病害虫防除暦(モモ)に採用済み。
    有用昆虫に対する安全性が高く、ミツバチ、マルハナバチを導入している園では散布翌日に放飼可能。
    ネオニコチノイドのなかでもモスピラン同様に鱗翅目害虫(モモハモグリガ、シンクイムシ類等)に効果が高い。  
     
  • アクタラ 
    適用害虫の幅が広く鱗翅目害虫や、ハモグリバエに登録あり。 ネオニコチノイド系の中ではミカンキイロアザミウマへの活性が高い。
    粒剤の成分量が0.5%と低薬量で活性を示します。

  • ダントツ
    水溶剤はボトル入りのため、薬剤調合時の計量も容易です。 粒剤の成分量が0.5%と低薬量で活性を示します。
    ネオニコチノイド系の中ではミカンキイロアザミウマへの活性が高い。
      
  • アルバリン
    ネオニコチノイドの中で唯一テトラヒドロフラン環をもつ化合物群に分類される。
    野菜のセルトレーでの育苗中に顆粒水溶剤50〜100倍液の灌注処理で拡大予定(キャベツ、だいこん、はくさい、レタス等)。

    使用にあたっては薬剤ごとの使用基準、注意事項をご確認の上ご使用ください。 

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