|||||| アメリカシロヒトリとニトルアーアメシロ ||||||
アメリカシロヒトリは北米原産の侵入害虫で、日本国内では1948年頃東京都と神奈川県で始めて発生が確認されました。
その後関東地域を中心にサクラやプラタナス等の街路樹に発生し、大きな被害を及ぼすとともに全国各地に広まりました。
発生は比較的都市部に多く、山や森林地帯に少ないことが特長です。
アメリカシロヒトリは通常年2回の発生といわれていますが、太平洋岸の比較的温暖な地域では年3回発生します。
本種は蛹で越冬し、翌春4月下旬から6月上旬にかけて成虫となります。
2回目の成虫発生期は6月下旬から7月下旬、3回目の成虫発生期は8月中旬から9月上中旬となります。
山梨県病害虫防除所によるフェロモントラップを用いた成虫調査によると、2回目の発生期となる6月下旬から7月下旬にかけての捕獲数が特に多い結果となっています。
ニトルアー(ハウストラップ)
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ニトルアーアメシロは日東電工株式会社が開発したアメリカシロヒトリ防除用の性フェロモン剤です。
本剤は雌成虫の性フェロモンの強い誘引力を利用し、雄成虫をトラップで捕殺することにより交尾率を低下させ、次世代幼虫の発生数を抑制することが特長です。
学校や公園、商店街の街路樹など薬剤防除が難しい場面で期待されています。 |
< ニトルアーアメシロ適用 >
作物名
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適用病害虫
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使用時期
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使用量
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使用方法
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プラタナス
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アメリカシロヒトリ
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成虫発生初期から発生後期 |
直線使用
(街路樹など)
40mあたり1個以上
面使用
(公園など)
10aあたり3個以上 |
本剤をトラップ1台あたり1個貼付け、地上1〜6mの高さに設置する。 |
■使用方法
- アメリカシロヒトリ成虫の発生は地域や年により異なります。この図は成虫が年3回発生する地域の発生モデルです。
- 1世代の成虫捕獲数が50頭/1トラップを超えると、次世代幼虫の被害が増加する傾向にあります。巣網切除、薬剤散布などで幼虫を駆除するとより効果的です。
< 使用上の注意 >
- 性フェロモン誘引剤は最初の設置から3ヶ月以内に必ず追加してください。
① 年3回発生地域では4月下旬に設置、7月下旬を目処に誘引剤を追加する。
② 年2回発生地域では5月上旬に設置、7月上旬を目処に誘引剤を追加する。
- 追加用性フェロモン誘引剤は冷蔵庫内(5℃)に保管してください。
- トラップは風通しの良い場所に取り付け、設置やメンテナンスの際に周辺の枝葉をその都度剪定し十分な空間を作ってください。
- 特に発生の多い地域では設置初年度は外観上の効果が確認できない場合があります。 この様な場合は2〜3年間は従来の捕殺や薬剤防除と組合せて防除する必要があります。
又、フェロモントラップ設置区内で巣網は放置せず処理して下さい。
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