農薬通信 |
2001年9月号『果樹』
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登録日2001/09/04
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||||||収穫後の防除|||||| 収穫後は、園内に入らない方が多いようですが、すでに来年の病害虫防除がスタートしています。この時期に病害虫を徹底的に防除することにより翌年の初期発生を少なくすることができます。 《モモ》 ウメシロカイガラムシは年3回の世代交代を行ないますが、ご存知の通り薬剤は幼虫の時期にしか効果 を発揮できません。9月は、最後の幼虫発生期にあたるため充分な防除が必要です。薬剤はスプラサイド水和剤の1500倍を枝幹に良くかかるよう丁寧に散布してください。また、スプラサイド水和剤はモモハモグリガに高い効果 がありますので、同時防除が可能です。せん孔細菌病の発生地域は4−12式ボルドー液(icボルドー412:30倍)を9月中旬より落葉前まで2〜3回散布してください。この時にカイガラムシ防除剤を混用する場合は、スプラサイドはボルドー液に混用できないのでスミチオン水和剤1000倍を用いてください。 コスカシバの発生の多い園では10〜11月中旬に幹を中心にボーラーカット、トラサイドA、ラビキラーのいずれかを200倍で散布してください。この際、浸透性展着剤(サントクテン、アプローチBI、ハイテン)を加用すると効果 が高くなります。 《ブドウ》 収穫後は、秋雨によりべと病やさび病が発生する恐れがあります。またブドウトラカミキリの成虫が産卵する時期に当たるので、4−4式ボルドー液(icボルドー66D:40倍)とスミチオン水和剤1000倍を混用して散布してください。ブドウトラカミキリの芽部や樹皮の割れ目に産みつけられた卵は10〜16日でふ化し、樹皮下に食入し2〜3令幼虫で越冬します。その幼虫防除は、10〜11月または2〜3月にボーラーカット、トラサイドA、ラビキラーのいずれかを200倍で散布してください。その際、モモ同様に浸透性展着剤(サントクテン、アプローチBI、ハイテン)を加用すると効果 が高くなります。散布後はなるべく長期間、降雨がない日を選んでください。 |