農薬通信 |
2001年7月号『果樹』
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登録日2001/07/04
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|||||オウトウ収穫後のせん孔病防除|||||| 近年、オウトウのせん孔病が増加傾向にあります。せん孔病は収穫後に多発生し、早期落葉をおこすため樹を衰弱させます。直接果 実に被害が表れるわけではありませんが、翌年の果実品質にも影響を及ぼすので、十分な防除が必要です。本年度の防除暦にも『せん孔病は、収穫直後から定期的に防除を行なう』と太字で注意事項に記載され、防除の徹底が促されています。 〈せん孔病の生態と症状〉 昨年の落葉上で越冬していた病原菌が、春先新しい葉に侵入し発病します。その後、その病斑が原因となり他の葉に次々に感染していきます。5月下旬頃から発病しはじめ、梅雨明け頃に被害が最もひどく、被害葉は9月〜10月になると黄化落葉してしまいます。症状ははじめ紫褐色の斑点ができ、それが拡大して孔があくか、孔があく前に落葉してしまいます。枝の基部から落葉し始めるので、被害のひどい時は、枝の先端部の葉だけが残った状態になります。 〈防除〉
|||||ベルクートフロアブル|||||| 以前、農薬通信でも紹介したベルクートフロアブルが、製剤の問題から発売を延期していました。この度、問題が解消され発売されましたので紹介します。ベルクート水和剤の最大の欠点であった、薬剤調整時の粉立ちの問題を解決し、より使用時の安全性を高めると共に、使い易い薬剤になりました。登録はももの灰星病・黒星病・ホモプシス腐敗病(1000倍)、りんごの斑点落葉病・黒星病・褐斑病・すす点病・すす斑病・輪紋病(1000倍)、おうとうの灰星病(1000倍)に登録取得しています。しかし、おうとうでは、着色始期以降の散布で、薬剤のたまり部分にリング状の焼け症状の薬害が発生する恐れがあるので、着色始期以降の使用はしないでください。 |