農薬通信 |
2000年9月号『果樹』
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登録日2000/09/01
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|||||ハダニの生態と基本防除|||||| ハダニ類は、1世代期間が短く、年間の世代数が多いため、発生時期や発生量の予測が難しく難防除害虫となっています。本県で特に発生が多いと考えられるカンザワハダニとナミハダニの生態と、その防除について掲載します。 〈カンザワハダニ〉 雌成虫が幹の粗皮下で休眠越冬していて、4月下旬くらいから葉への寄生が始まります。世代交代(卵→幼虫→成虫)は年10回以上行われ、7月上中旬と9月上中旬の2回の発生ピークがあります。 〈ナミハダニ〉 越冬はカンザワハダニと同様に、雌成虫が休眠して行なう地域と、多年生雑草に寄生して越冬する地域がありますが、本県では両方の手段で越冬していると考えられています。樹上で越冬したものは、葉がまだ展葉していないと、下草に移動し増殖します。下草で発生密度が高くなると、樹上に移動して増殖・拡散していきます。世代交代は年間10回以上行われ、8月に最盛期を迎え、それ以降は急激に減少していきます。 ◆◆◆ 防 除
|||||新規殺ダニ剤「マイトコーネフロアブル」|||||| マイトコーネフロアブルは、ハダニ類の成虫と幼虫に高い効果を発揮する新規の殺ダニ剤です。りんごのナミハダニ(1000〜1500倍)・リンゴハダニ(1000倍)、なし・おうとう(1000〜1500倍)・もも(1000倍)のハダニ類に登録を取得しています。速効性があり、ハダニの成虫及び幼虫に高い効果を示します。また、有用昆虫(蚕・ミツバチ)や天敵(カブリダニ・ハネカクシ)に対して実用濃度ではほとんど影響のない薬剤です。本年11月下旬の発売予定です。 |