株式会社アセラ
農薬通信バックナンバー
農薬通信
2000年2月号『果樹』

登録日2000/02/01

||||||せん孔細菌病の防除|||||
 昨年、もものせん孔細菌病が広範囲に発生し大きな問題になりました。防除暦では落花期の注意事項に「せん孔細 菌病の春型病斑のある枝は、伝染源となるので見つけしだい除去する。」と加えられました。今号では春先及び生育 期の防除について記載します。  

①
秋のボルドーは、落葉前に樹全体を覆う事により、越冬場所となる落葉痕に細菌が入り込まないようにしました。 春先も、花弁が見えはじめる前に、4‐12式ボルドー(又はICボルドー412 30倍)を散布してください。これは、 落葉痕で越冬している細菌を外に出さないようにし、葉や果 実等への伝染を防ぐためです。
②
落葉痕で越冬していた細菌は、気温が上昇し樹液の流動も盛んになると急に増殖して枝の組織を侵します。この 枝は紫褐色または紫黒色であり、伝染源となります。(春型枝病斑=スプリングキャンカー) これを見つけしだい取 り除くことは、その後の発生密度を低下させるために重要な作業です。
③ 生育期の薬剤で、最も効果 が高いのは抗生物質です。落花直後からアグリマイシン100等の抗生物質を1週間お きに2〜3回集中的に散布してください。これらはブドウを無核化させるなどの薬害があるので隣接園では注意が 必要です。

 以上が主なせん孔細菌病の防除方法ですが、完全な防除は難しく、全て行っても発生してしまう可能性があります。そこで、登録のあるデラン・スペックス・ビスダイセン・硫酸亜鉛等の剤を組み込んで行くことも有効だと思われます。

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